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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第4章 お酒と煙草は二十歳になってから① 



『久しぶり。今週の金曜日の夜なんてどう?』


カチッ、ジジッ……ハァーーー


なんか、椿さんとのナインって私にストレスでもかかってるのかな?
ナインきた瞬間タバコ吸いたくなるこの感じ。

あー、でも返信したい。
でも、さっき連絡きたばっかだし。
すぐ返すのは気持ち悪いよなぁ。

ポツリを少し覗いてから時計を確認。

さっきとなんら変わりのない時計だこと。


………えぇーーい!ままよ!


『私は構いません。家に伺う形で良いですか?』

『うん。じゃあ仕事終わったらまた連絡するね。定時で帰れるよう頑張る』

何この文面、クソ可愛い。何なん?うんって。可愛い以外の言葉が見つからない。
とか思いながら、真顔でファイトのスタンプぽちっとな。


草川さんに言われた通り正直な気持ちを伝えて行く努力をしたい。
その為には、まずこの曖昧な関係に終止符を打とうかと。
打って、出来ることならもう一度付き合いたいっ!!!
付き合って色んなとこ行って、私の彼女って自慢して、幸せにしたい、されたい!!

………出来ることなら今すぐにでも腕の中に来て欲しい。

でも、今まで一ミリも気にした事なかったけど、椿さんって社会人なんだなぁと感じる。私は大学生で、椿さんは社会人。
この差はどう逆立ちしたって変えようもない事実で。

よく考えたら私と椿さんって何歳差だ?あれ?年聞いたことあたっけ?

んー……

ないな。うん。
ってことは今までそれほど気にしていないということか。
ただ、社会人と学生という肩書の違いに振り回されていただけか。
肩書とか、あと3年もしたら同じじゃんね。ニートにならなければの話だけどさ。

やはり高校生からの社会人というのはとても遠い存在のように思えてしまう。
しかし、学生の肩書は3年~4年で変わるのに対して、社会人の肩書はそう変わらない。
そう思えるようになるくらいには、私は大人になれたのだろうか。椿さんに少しでも近づくことができているだろうか。
椿さんが、私の心配なんてしなくてもいいくらいに、大人になれたらもう一度、気持ちを伝えよう。


私の幸せが~、なんてもう言わせない。


スッと両手を合わせ……

……この前の告白まがいな発言は忘れてくれることを祈ろう。


「何祈ってんの」


いつもの爽やかな声に気味の悪いものでも見ているかのような声音が横から聞こえる。
目を開け、声の方を向く。

「おー、霞だ。この祈りはな、私の最寄駅の近くに住む、鈴の音のような声を持った女神さまに記憶滅却を頼んでた」

「いや怖いよ!」

なんだよその詳細な女神像は、と自分の体を抱きしめて怖がる霞。

「あれ?ところでなぜここに?喫煙者になった?」

「いや、ちょっと飯いかね?」

その切り返しに、いつもなら突っ込みがひとつ入るはずだったんだが、霞は作ったような笑顔で言葉を返す。
あー、これはまじめな奴や。
そう感じた、が

「オサイフワスレチャッター」

「嘘つけ!昼飯学食!!もう奢るから行くぞ!!」

ぐぇ、とアヒルのようなすっとぼけた声を出しながら、霞の腕に首を巻き付けられたまま喫煙所から連れ出された。



***



「それでさ、綾香のことなんだけどさ」

その切り出しを聞き、私はすぐに携帯を取り出して聞く気を態度で示した。

「いやもう本当にまじめな話、一生のお願い」

それでね、と霞は私との一生のお願いを勝手に使い話し始めた。

それは、ここ数か月のこと。
綾香の隣には常にメガネの女の子がいるとのこと。
いわく、その子が隣にいるときの綾香の笑顔が天使なこと。
でもその笑顔が向けられているのは霞ではないとのこと。
もしかして付き合っているのかと、疑ったとのこと。
本人に聞いた、とのこと。

まじか

違うとのこと。
じゃあなに!!??とのこと。


「知るかっ!!!」


一生のお願いはそんな一言では終わらせてもらえず、

「本当にまじめな話。え、だって好きな人が他人と仲良くしてたら俺なんかムカムカしちゃうのよ。俺が好きになるくらいの天使なんだから、他の子も好きになったらどうしようって考えると、もう被害妄想が止まらくなって、自分が怖くなってくる」

「何その独占欲。こわ。」

つまりあれでしょ。
他の子に好きになってほしくないから、他の子と一緒にいないでってことでしょ。
彼女でもないのにそんなこと言われたらさすがに引く。

「分かってる。分かってるからそんなこと綾香には言わないよ?でもなんか耐え切れなくて楓に相談した」

「まぁ、女も好きになれるやつの宿命だよね。友達っていうのはどうしても付いてくるものだし、それをどうにかしてってのは無理な話だし」

でもそれって、自分のセンスがいいってことでドヤりそうだけどな霞なら。
綾香かわいいでしょ。俺が好きになった子だもん当たり前じゃん、的な感じで。


そんなことを思いながら、ポテトをひょいっと口に運んで、


ふと、外に目をふけると、




椿さんと目が合った。




「んぐっっ!?ごほっごほっ」

ポテトは驚いて気管に逃げ込んだっ!
楓は息ができないっ!
慌てて水を飲んだっ!
一息つき外を見ても既に椿さんはいないっ!
まさ、か―――


「やほー」


後ろから能天気な声が聞こえる。

恐る恐る振り返るとそこには


ニッコリ笑顔の楠見椿がいた。

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category:  第4章酒と煙草は二十歳になってから

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