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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第3章 悩むの辞めた② 

なんか、ブログの一か月更新してないと変な広告が出る機能嫌ですよね。
私は嫌ですね。
なのでそんな書きだめもないのに更新しちゃいました。


*****

「おい、この後暇か?」

放課後、筆箱をカバンに仕舞いながら霞がそんな事を聞く。

「あー……暇じゃない」

「珍しいな。新しい女か?」

……聞き方が……最早こいつ女を捨てている。

「女じゃない」

「……え?男?」

「なんで間があったのかすごく気になるけど男でもない。ましてやオカマでもない。高校の友達だ」

「……あぁ、優輝"君"か」

「一応否定しておくけど"君"じゃねぇからな」

霞は優輝のことを知っている。
まぁ月一で会ってるからある程度の存在を認識できるから当たり前っちゃ当たり前か。

「いや、話を聞く限り俺の中では優輝君の像は男になっている」

「まぁ、勝手にしてくれ、じゃな」

「おー、また明日」

そう言い霞と別れた。



***



「マジであいつ変わらねぇ」

そう、誰にも聞こえない声でついポツリと言ってしまうほど、視線の先の人は変わらない。

高校の時から伸びてないのかってほど長さの変わらない髪。
中性的な身体つき。
スカートなんか絶対はかない。



柏原 優輝



高校時代、何度あいつの言葉に助けられたか数えたくもない。
鬱々としたネガティブなことを永遠と相談してたとか本当にもう黒歴史。

そんな黒歴史を頭から追い出して歩を進め、声を掛ける。


「あのー、すみません。道が分からないんですけど……」


巫山戯て道が分からない人として声を掛ける。

「……」

別にイヤホンとか付けてるわけでもないのに反応を示さない優輝。

「あのーすみません」

少しさっきよりも大きい声で再び声を掛ける。

「……」

反応を示さない優輝。

「あのー道をお聞きしたいんですけどー!」

「……」

「道尋ねたいって言ってんだろボケ」

ポカッと頭をグーパン。

するとようやく頭を上げて怠そうな目線を向けられる。

「普通に声かけなよ」

「つまんない」

「そ。じゃあいつもの店でいいよね」

「うい」

会話もそこそこに歩き始める。
……え?久しぶりー!きゃー!変わってなーい!え、ちょっとやばくない?久しぶりすぎるでしょ!え、ほんとやばい。みたいなの想像してたの?
それこそほんとにやばい。

優輝はしばらく私の前を歩くと、とあるハンバーグ屋さんの前で立ち止まる。
そして躊躇うことなく店のドアを開ける。
中からは元気な、少し混んでいるのか、すこし切羽詰まった声で「いらっしゃいませー!」と聞こえてくる。

……カフェなわけないじゃん。
私たちが落ち着いて小さなサンドイッチとかでご飯が済むわけないじゃん。

「私メガ3」

「君いつもそれじゃない?」

「飽きないこの商品が悪い」

「じゃあ僕もそれにしよ」

説明しよう。メガ3とは、牛、豚、鶏、がすべてあり、それぞれ150gと計450gある学生に人気のボリューミーメニューなのだ。
ただ少し提供までに時間がかかってしまうのが難点。
と、いう解説は終わりにしなくては目の前の優輝の頭から角が生えそうで怖い。

「で、また女の子と付き合うことになってんの?」

この言葉通り、優輝には今現在の私の状況はすべて伝えている。

「いや、実は今回はスピード破局に挑戦してみた」

優輝は眉間に皺を寄せただけで何も言うことはなかった。

「いや、まぁ簡単に言えばあれだよ……あれね








椿さんに会った」







一度口から出た言葉は留まることなく溢れてきた。
 
「雨に遭って、家に上がらせてもらって、お風呂借りて、寝間着も借りて、泊りとか言い出して、椿さん泣いて、キスして、やっぱ好きで、諦められない。」

ただ溢れてきた言葉は到底その場を見ていない人には分かるわけもない音の羅列であった。

「椿さんの泣き顔すごい綺麗で、思わずキスしちゃったんだけど嫌がられてないかな!?」

「落ち着いて?」

さすがの優輝も無反応で対応することはできなかったらしく、水を一口飲んで自分も落ち着かせている。

「落ち着いたら取り敢えず、もうちょっと詳しく話して?」

そう言われて私も水を一杯ぐいっと飲み干して、大きく息を吐き出して、事の顛末を話した。





「あー、なるほどなるほどなるほどね」

私の話を聞いた優輝はきた料理の最後の一口を食べながら大きく頷きながらなるほどと繰り返す。
何がなるほどだボケ。こっちは全然わからねぇよ。

「それさぁ、ワンチャンいけるんじゃね?」

「なにがなるほどで、その発想になるの」

全然なるほどじゃねぇ。
わかってないよこいつは!
椿さん、私たちのいくつ上だと思ってるんだ!
そんな簡単な発想でたまるかっ!

「いや、相変わらず自分を卑下する発想素敵だと思うけど気付けよ」

「何に」




「椿さんが君のことまだ好きってこと」




「んなわけっ!!!……って優輝もやっぱそう思う?」


そう。さすがの鈍感な私でも薄々は勘付く。

え、だってキスされたんだよ??
年下の私の前であんなにわんわん泣かれたんだよ??

「気がついてるじゃん」

そういうと優輝はドリンクバーを取りに席を離れた。


「いや、でも、だって……えぇ?」


そんな簡単な発想でいいの?
椿さんは大人で、私たちは子供だぞ?

未だに人の好意が信じきれない私は自分と優輝の考えに納得がいかない。

「え、どうすればいいと思う?」

気持ちの真意は置いといて、戻ってきた優輝に今後について聞く。

あ、メロンソーダフロートにしてる。ずりぃ。

優輝はフロート部分をパクリと一口食べてから、

「攻めれば?」

「なるほど」

攻める。攻めるかぁ。
グイグイいく感じ苦手なんだよなぁ。
攻めるねぇ……

「いやまて、攻めれば、じゃないだろ。お前最近アドバイス下手くそになった!?」

優輝の言うことは基本的に正確で的を射ているから納得しかけてしまったが違う。私が求めてたアドバイスじゃない。

「いやだって、両思いの相談事ほどやかましいものはないよ」

「そーだけどさぁ!私は状況が違うじゃん!距離置かれちゃったじゃん!なんで!?」

「直接聞くしかないでしょ」

やっぱり下手になった。
それができたら苦労しないんだよー。君はわかってくれると思ってたのにー。



「分かるよ。どうせ聞いても答えてくれない雰囲気なんでしょ?でもさ、ここで僕たちがどんなに楠見さんの気持ちを考えても、本当の楠見さんの気持ちは楠見さんしか知らないんだよ」



他人の気持ちは聞くしかないんだよ。

そうポツリと付け足しながらフロートのなくなったメロンソーダを飲む。


結局はそこにたどり着くのだ。
ここでどんなに椿さんの気持ちを考えても、結局は私達の想像でしかない。
本当の気持ちを知りたいのならば本人に直接聞くしかない。

でも、それが怖い。

親しい人の本当の気持ちほど怖いものはない。

予想もしなかった考えをしていたら?
心の奥底で静かに、強く望んでいる答えと違っていたら?

私は平常心を保つことは出来ないだろう。

分かりやすく目を泳がせ動揺してしまうのかもしれない。
目に見えて落ち込んでいるのかもしれない。

私は私が思っているより気持ちを隠すことが下手だ。


あぁ、もうこんな事でこんなにも悩んでしまっている時点で、私に他人と深く付き合うことは向いていな———



「やかましい」



コツッ

頭部に軽い衝撃と優輝の変わらない声質。

いつの間にか顔は俯いて考え込んでいたらしい。

「やかましいって、喋ってないやん」

「顔がやかましい」

「理不尽!」

「考え込むな。君は考え込んで良いことなんて一つもないんだから」

酷い言われようだ。
だが確かにその通りでもあった。
私が変に考え込んで良いことは無い。むしろネガティブなことしか考え付かないから鬱々とした気分になるだけだ。

「君は何も考えてないようなバカな顔で無邪気に子供のように人と接するのが一番だと思うよ」

「酷い言われよう」

でもまぁ、確かに優輝の言う通りが一番問題解決速度は速い。
実際もう考えることに疲れた。

段々と、なんで私だけこんなに悩んでいるのか。
悩みの種の椿さんはどうせ悠々と日々を過ごしているんだろう。
それなのに私だけがこんなにも悩んでいる。

理不尽だ。



決して椿さんが悩んでいないとか、そんなことは私の想像でしかないのに、私の中でそれは、もう決定事項で。
でもやっぱり椿さんも悩んでいるのかなと思うことはあるけど、それでもやっぱり決定事項は覆らなくて。
決して決めつけているわけではないと言い訳をしたいがために、心の中で反対の意見で否定はしてみるけど最初に思ってしまったことは強く心に残ってしまう。



そんなことを延々と考え続けてしまう私はやはり優輝の言う通り、バカな顔で無邪気に子供のように人と接するべきなのだろう。
無駄なことなど一切考えずに、疑問に思ったら考えるのではなく、聞く。
そうすることで私はもっと楽に生きられるのかもしれない。と少し気持ちを持ち直したとき、



「あ、でもやっぱり人と接するときはその人の気持ちのことを考えながら接したほうがいいよ」



爆弾発言をした。

なんやねん!!!!
考えないほうがいいとか言っときながらやっぱり考えなくちゃいけないのかよ!
こいつは私の頭をショートさせたいのか!?





「最低限、自分がされて嫌なことは人にしちゃいけない」





「あぁそれは重々承知してる」

当たり前のことだけど、私はこの基準をいつも心に留めている。

よく他人の不幸は蜜の味とか言って、人の不幸を笑いの種にする輩がいるが、私はそういう連中が大っ嫌いだ。
そういう連中は決まって、立場が逆転したら文句を言いだすのだ。
人のことを笑っときながら、自分が笑われるのは嫌がる。
なんて自分勝手で自己中心的で子供じみた考えなのだろうとイライラする。

「それが分かってるならいいや」

そう言うと優輝はカレーバーのある方へ向かっていった。

「……相変わらずめっちゃ食うよなあいつ」

ズココ、と氷で薄くなったコーラを飲み干した。


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category:  第3章悩むの辞めた

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コメント

まってました!ほんとに好きです。これからも更新待ってます。頑張ってください、、!!
いあ #- URL [2018/11/04 04:38] edit

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