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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第1章 出会い④ 




「あの人やばい」

ボーリングのシューズに履き替えながら独り言にしては大きく言う。

今日は授業が無い全休の日なので霞とボーリングに来ていた。

「あの人って誰」

「草川瑞樹さん」

「誰」

「彼女」

「えぇ!?おまっ、また新しい彼女……え、それってまさかこの前楓が狂った告白した人?」

狂った告白とは何だ。失礼な。
確かに名前も知らないすれ違っただけの人にいきなり告白するのはあり得ないけど。

「そ、結局マジで付き合うことになった」

「ぶっ!!!!ははははは!!!なっ!おまっ!まじか!ははははは!!!なにっそれ!ウケるんだけど!くっ、ははは!!」

「笑いすぎだろ……」

霞は持ってきたボールを腹に抱えながら大爆笑。
どうやらツボに入ったみたいで一向に笑いが収まる気配が無い。

しばらくしてようやく笑いが収まったらしい霞が、

「はぁーまじウケる。楓最高。ふっ、くくくっ……」

目尻に涙を溜めるほど笑ったのか。
そしてまだ笑い足りぬのか。

「はぁー、疲れた。……で、何だっけ?」

「あの人やばい」

再度同じセリフを言う。

「やばい、とは?」

「あの人カッコよすぎる。やばい。超尊敬する」

「もっと詳しく」

「だってあれだぞ?あんな突然の告白の私との出会いでも大切な思い出なんだぞ?……なんか、駄目だな。言葉にしてしまうと軽すぎる」

「何だよ。お前から話したんじゃん」

霞はそう言うと立ち上がり第1投を投げる。1ピン。

「で!?なに!?楓は、何だっけ?くすみさん?の事忘れてその格好いい先輩の事好きになったの!?」

1ピンで早くもイライラし始めた霞は乱暴に聞いてきた。
私に八つ当たりしないでくれ……

「それがさぁ、草川さんは恋愛感情じゃないんだよね……何ていうか、尊敬の方が強い。凄い!っていう感じ」

「何だそれ。彼女なの?」

「私もイマイチよくわからない」

その言葉を聞いた霞は続いて第2投を投げる。ガーター。

「それよりも俺の話聞け!」

初っ端から最悪のスコアを叩き出した霞はドカッと椅子に座り飲み物を手に取りながら半ばヤケに叫ぶ。

「何」

私は第1投の準備をしながら話を促す。
てか、霞ボーリング下手かよ……

「綾香と遊んだ」

「ほう」

第1投、投げる。2ピン。
私は尻上がりタイプだ、まだ大丈夫だ。

「遊んでる途中、眼鏡かけた真面目系の女の子と会ってすごく楽しそうに話してた……何あれ、彼女?」

「眼鏡かけた真面目系女子?」

誰だろうか。高校にはそんな子はいなかった気がするが。

私が高校の友達を思い返しながらも霞は続きを話す。

「俺の気持ちとか綾香絶対わかってない……」

そう言うと頭を抱え込む。

まぁ、今じゃ告白が挨拶みたいになってるもんな。
と、思ったがそんな事は口には出さず、

「もう1回真面目に告白すればいいじゃん」

「無理」

「何で」

「だってもう告白が挨拶みたいになってる今!!真面目に告白とか出来るわけないだろ!!」

霞は顔を上げて、こいつ馬鹿じゃねぇーの、みたいな顔で私を見ながら叫ぶ。

てか、分かってたのね。
告白が挨拶になってるって。

「しかもどーせ綾香はお前のこと好きじゃん」

「あー、うん。まぁ……」

私は気恥ずかしさから第2投を投げる。3ピン。調子は上がっているっ!!!

「でも諦めるって選択肢はないんだろ?」

「ない」

即答。

ふと、霞は何かを決めたような顔で立ち上がり、ボールを持ち、構える。


「これストライクとったら告白する」


いや無理だろ。
お前初っ端から1ピンしか倒せてないじゃん。告白する気ないだろ。

そう、言いかかったが、霞の真剣な目を見てその言葉を飲み込んだ。

霞はジッとピンを見つめて、ゆっくりと綺麗なフォームでボールを投げた。








———ボールは真っ直ぐガーターへと吸い込まれた。

「無理だ!!!!!!」

「だろうな」

あんだけ真剣な目をしてたから私も緊張したというのに何だこの結果は。
霞は2投目を投げやりに投げる、ガーター。

「あぁ……てか、なんで草川さんはお前の告白をOKしたの……」

霞はあ◯たのジョーの様に膝に寄りかかり力無く聞く。

「なんか、面白そう、だったか、ら、って……あれ?」

霞に問われて、今気が付いた。

この前、草川さんの言葉を聞いた時は尊敬するレベルで格好良く、惚れ惚れしていたが、

今になって、気が付いた。




草川さんは、私と面白そうだったから告白をOKした。



でも、草川さんには、遊びの出会いは無いと言う。









———面白そうで付き合う出会いは遊びでは無いのだろうか。



草川さんの格好よさに浮かれててその時に気がつかなかった私を恨みたい。

あの人とはいつ出会えるのか分からないんだから!
そうだよ!連絡先交換するの忘れたよ!

「もう!次ストライクとったら明日ずっと喫煙所いる!」

「……はぁ?」

いきなり怒り出したと思ったらバカなことを言う私を霞は哀れむ様な目で見てくる。

私は気にせず大きく振りかぶり投げやりに、"ストライクを取らない様"に、投げた。








———ストライク

「嫌だ!私真面目だもん!授業サボれない!」

「別に無理して守らなくていいわ!!」

こんな喜べないストライクなんて初めてだよ!
先ほどの言葉を取り消す事にして私は席に戻る。

でも、さっきの疑問は頭からは消えなくて、次会った時に聞こうと決めた。



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category:  第1章出会い

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