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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第17章 温もり② 



「椿さん」

「んー?」


私が呼び掛けると私の右手をギュッと握っていた椿さんはニコニコと微笑みながら顔を上げる。





可愛い




「じゃなくて、本当に、私で良いんですか?」




冬の青く澄んだ空が今日ものんびりと眼前に広がっている。



今日は椿さんが退院して初めてのデート。
ただ、カフェでのんびりするだけだけど。



そんな初めてのデートなのに、何故こんな雰囲気が壊れるような会話しかできないのだろう。




でも、


雰囲気が壊れようと、


私は、






やはり不安なのだ。


椿さんの気持ちを知っても、多分一生私はこの気持ちを背負うんだと思う。

椿さんみたいな可愛くて綺麗な社会人が、男っぽくて小さい高校生の私がとても釣り合うような人では無いのだ。



椿さんは私の不安を聞いて、困ったような笑みで言う。




「楓じゃなきゃダメなの」



純粋に嬉しい。

そんな言葉を椿さんから聞けるということ自体。



だが、それでも私の不安は拭われ無い。
その不安が顔に出ていたのか、



はぁ、と椿さんは息を吐く。




ビクッ




私が、予想外にネガティブな性格だとわかって嫌われたのかもしれない。

椿さんは右手でコーヒーを一口飲むと私をじっと見つめる。






左手は、私の右手をいじったまま。


最初はただ、ギュって握ってくるだけだった。

でも、

だんだんと、

指で手の甲を、手首を撫でるような手つきになる。



じっと私を見つめていた椿さんは不意に問い掛ける。


「じゃあ楓は本当に私でいいの?」


手首の血管をいやらしく撫でる。


「っ……ぅあ?え?……あ、勿論ですよ!……楓なんかじゃ到底釣り合わない、ですけど……」


くるっと指で手の甲に円を描く。


「それ。楓は私を高く見過ぎよ」


ピタリと掌同士が合わさる。


「で、でも椿さんは優しくて綺麗で、たまに意地悪なところもあるけどそこも可愛らしくて完璧ーーー」







指がズレて指の間に椿さんの指が入り、そのまま強く握られる。





「私にだって汚い感情はあるわ」





ふと、椿さんは結果的に恋人繋ぎになった私の手を引っ張る。



そして、





私の、





手の甲に、






















キスをした。



「っ!!!!!」


「キスだってしたいし」




机の下で、椿さんの両足が私の足を挟む。





「体だって触りたい」






話し始めから決してそれることのなかった椿さんの瞳に、







色っぽい、大人の光が差し込んだのがわかった。


「こんなこと思うの楓だけなんだけど。こんなこと思ってる私に、幻滅した?」


途端に色っぽく、より綺麗になった椿さんに見惚れながらも、ついに私の方から目を逸らし俯き、微かに首を振る。




目を、逸らしたのが気に入らなかったのか、






「そのすぐに耳まで赤くなるの凄く可愛い」


「っ!!!!」


その言葉につられてハッと顔を上げるが、






「小さいことにも直ぐに反応しちゃうのも可愛い」


全てが、椿さんの思うツボで、

「も、もう分かりまし、たから。もう、いいです、大丈夫、です」

恥ずかしくて、死にそうだ。

付き合ってた人は居たけれども、大人ってだけでこんなにも違うのかと疑うレベルだ。


でも、椿さんは満足してないのか、


「ねぇ、楓」


少し机に寄り掛かって、












「私のこと好き?」



って






「なんか椿さん性格変わってないですか!!??」


あれ!?
こんなぐいぐい攻めるタイプだったっけ?
いや、でも楓をいじるという根本的な部分は変わっていない、のか?


なんかもう耐え切れなくて思わず大きな声を出す。

でも、椿さんはフフッと微笑むだけで驚いた素振りなど無い。


「楓の反応が可愛いからよ」

「~~~っ」


何を言ってもこんな言葉で返されると分かっているから何も言えない。

手元にあった水を一気飲みして顔の火照りを治める。


なんか……一気に疲れた。


ぐだーっと机に突っ伏して「あーーーー」と奇妙な声を出す。

そんな無防備な私の頭に椿さんの手が触れる。
分け目とか、そんなの気にせずくしゃくしゃーっと軽く撫でられる。


別に可愛い女の子みたいに髪形命ってわけでは無いからされるがままだったけど、


「ふふっ」


それが面白かったのか椿さんの笑い声が聞こえた。



その撫でる手が、だんだんと優しい手つきになってふわふわと、髪の毛の表面を撫でるようになった。





気持ちいい。

腕を枕にして顔を横にして、そっと目を閉じる。




このまま眠れそうだ。





そんな時間が、





とても幸せで、





無意識に言葉が出る。






「椿さん」


「んー?」






















「好きです」


椿さんの撫でる手が一瞬止まるが、

すぐにまた動き出して、
















「私も好きだよ」




同じ言葉が返ってくるという幸せを、私はこの日、初めて知った。




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category:  第17章温もり

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