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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第15章 その瞳の意味④ 










「耳、真っ赤」






















さわっと、


















「んぅ!?」



















細く、冷たい指が唐突に耳に触れる。







ピクリと、その指は私の声を聞くと反応した。





…………恥ずかしい。



なんて、声を出してしまったんだ……





そんな私の内心をよそに、冷たい指は再び動く。






「ちょっ…………っ……つば、き……さん………」








さわさわと、優しく、どこか艶っぽく、その冷たい指は私の耳を触る。





その指が外側だけでなく内側に伸びてきたところで限界だった。











「からかうのもいい加減にーーー!!」





真っ赤な顔など気にする余裕もなくバッと布団から顔を上げ椿さんに抗議する。




しかし、繋げようとした言葉が、椿さんの顔を見て、失われる。

















とろんとした目で、うっすらと上気した頬。軽く開いた口から微かに聞こえる息遣い。







一言で言い表すなら



























ーーー欲情してる顔。










「つば、き、さん?」




咄嗟に私は覗き込み声を掛ける。



段々と、椿さんの目に正気が戻り、近くにいた私に気がつき慌てて遠ざかる。




「あ、あ!えっと、ごめん!えっと…もう、時間だから!帰ったほうがいいよ!今日はありがとうね!」



慌てて椿さんはそう言うと、私を両手で押して俯く。


そんな椿さんに逆らうことはせず、扉まで歩いていく。



振り返ると椿さんはまだうつむいたままだ。





「では、また明日来ます」



私もどこか気の抜けたような声を掛け、病室を出た。






病室を出た後もしばらく、ぼーっと立っていた。






あの、顔は……?





なん、なの?








なんで、あんな顔をしたの?

















まるで、















私の声を聞いて、





























興奮したような。








まるで、















私の事が、

































好きなんじゃないかと、









ーーーー思ってしまった。









ブンブンと首を振ってたった今の思考を掻き消す。








有り得ない。


椿さんが私の事を好きになるなんて、有り得ない。





椿さんは、近藤さんが好きで、私は綾香と付き合ってる。


その事を決して忘れちゃいけない。

















ふと、近藤さんの事を語る椿さんのあの複雑な顔が頭をよぎる。





「帰ろう」



無理矢理思考を切り替え、私は病室の扉から離れた。




***




「かーえーで!」



次の日の学校。


私は、



「放課後デートしよっ!」



放課後デートに誘われた。



今日もお見舞いに行くと椿さんに約束してしまっていたが私は放課後デートに了承した。



「いいよ、どこ行こうか」



特に時間も指定してないからデートの後にでもお見舞いに行けば良いか、と軽く考えていた。


「食べ放題!」


そう、この子は大食いだ。

綾香とご飯を食べに行く時は必ず食べ放題。
普通のレストランなんかに行ったらいくらお金があっても足りない。


「だよね、じゃあ駅前のとこ行こうか」


キラキラした目で見つめられ苦笑する。


「うん!」








いつもより遅い時間になるお見舞い。










この少しの時間のズレで私のこの気持ちが大きく揺れることになるなんて今の私は知らない。




***




「え!?もう時間!?」

もうお腹破裂しそうだよ。

「まだ食べ足りないんだけど!」

お前まじかよ。

「楓!いっぱい頼んで!」

もう私は傍観するよ。


パネルで取り敢えず一通り頼むとラストオーダーの時間は過ぎた。

食べる食べる、本当によく食べる。
その体のどこに入ってるのかっていうくらい食べる。





「ふぅ、お腹いっぱい」

最後に頼んだ一通りのメニューを食べ終え幸せそうな笑顔でお腹をさする。




その微笑ましい光景に思わず笑みが溢れる。


「ふふっ、満足?」

「うん!」

「じゃあ帰ろっか」



会計を済まし外に出る。


「ねぇ、明日もデートしよ?行きたいお店があるんだ」

明日は休日。特に用事はない。

「うん、いいよ」



ヒョォ、と冬の冷たい風が足元を通り過ぎる。


「さむーい!」

綾香がギュッと私の腕を抱き締め暖を取ろうとする。















モヤッと、胸の辺りに違和感が生じる。










しかし、私は振り払うことはせずそのまま綾香と帰った。



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category:  第15章その瞳の意味

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