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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第15章 その瞳の意味③ 

こんにちは、颯です。

今回、変なところで途切れてるけどミスじゃないです。

すごーく焦らします。




*****



椿さんと再会して1週間程たった。


今日も私は綾香と一緒に帰り、家には入らずそのまま自転車で病院に向かう。


コンコン、ガララ。


「失礼しまー……」


戸を開けたら椿さんは笑顔でそこにいた。



ただ、





その笑顔は、
















見知らぬ男の人に向けられていた。









「あら、楓ちゃんじゃない」
「毎日来るなんて優しいわね~」


同室の田中さんと佐藤さんの言葉に笑顔を返すことができない。



目は、その男の人に釘付け。



一体、誰なのか。





ねぇ、椿さん。



その人は……誰?









「あ、楓」



椿さんがやっと扉の前に立つ私に気がつく。



その声につられて男の人も振り向く。




その男の人は、世間一般的に言う、イケメン、というやつだった。



整った顔立ちでガタイもいい。立てば180はあるだろう高身長。



その男の人はこちらに気がつくと、立ち上がり、笑顔を向けてきた。





「初めまして、"楠見の上司"の近藤勇です」


「あ、えと、初めまして……」



私も名乗ろうとしたところで気がつく。












私は椿さんの何だ。









この人は、上司という繋がり。





私は?







私は、椿さんの……






「あ、河野楓……です」




知り合い、という選択肢もあった。




でも、それを言うのは、何故か、躊躇った。




「じゃあ俺は帰るから、また来る」
「ありがとうございました」



近藤さんは、笑みを浮かべるでもなく、感情の無い目でじっと私の目を見てすれ違う。




ガララ、カチャン。



扉が閉まる音と同時に体の力が抜ける。
いつの間にか全身に力を入れていた。





「楓?座ったら?」
「あ、失礼します……」


私が先程まで近藤さんが座っていた丸椅子に座ると椿さんはどこか、諦めたような、堪えるような目で、

















「あの人が私の好きな人なの」

















言った。








ぐっと心臓を掴まれたような苦しさが襲う。







「ぁ……っ…………」








言葉が出ない。





そうなんですか、格好いい人で完璧そうな人ですもんね!って言わなくちゃいけない。




笑顔で、椿さんを肯定して応援しなくちゃいけない、のにーーー




















椿さんのその目が、希望を抱かせる。












なぜ、好きな人の事を言う目が、諦めたような、堪えるような目を、しているの?







「格好いいし、背も高いし、優しいし、仕事もできるのよ」





椿さんは語る。



語る内容と、目は矛盾したまま。













ーーー本当に好きなんですか?







そう、聞きたくなるほどに。










でも、それを聞いてしまったら、もう、絶対に、戻れない気がして、私には聞けなかった。






「最初はね、格好いい優しい上司だなって思ってたんだけどね、いつの間にか、そう本当に、いつの間にかだったんだけど、好きになってたの」






聞きたくない。





そんな、椿さんの恋の始まりなんて。





聞きたく、ない。











「椿さん」


「ん?」











「椿さんは、どうして楓と、こうして会ってくれるんですか?なんの関わりもない、もう会う必要もない楓と」







今まで無言だった人から唐突な、意味不明な質問が来れば誰だって呆然とするだろう。



椿さんも呆然としている。

しかし、その時間もすぐに終わり、見ていて安心するような笑みを浮かべる。






「じゃあ聞くけど、楓はなんで私と会ってくれるの?」






椿さんが好きだから。





そう答えたかった。



でも、理性が、それを押しとどめる。






「それは……椿さんと、いる時間が楽しいから……」
「私も同じ」



間入れず椿さんは答える。





「っっっ!!!……それ……ズルイですよ……」



相手と同じ答え、というズルイ解答。














でも、嬉しさを隠せない。











掌で目を覆い、俯き緩む頬を隠す。



そんな私なんか御構い無しに椿さんは覗き込む。



「んーどうしたの?唇なんか噛んじゃって、もしかしてにやけ堪えてるー?」

「っっ!!」



反論しようと、顔を上げたが、






「ふふっ、顔真っ赤」






そう、愛おしむような目で、笑顔で言うから、


「ぁ……ぅ……」




私は椿さんの布団に顔を押し付けるしかなかった。




ふと、低くなった私の頭に何かが触れる。


それは優しく私の頭を撫でる。







椿さんが、私の頭を撫でている。




それを理解した途端、収まりかけていた顔の熱は再びやって来た。





そして、しばらく熱を冷ますためその状態を続いていたが、椿さんが撫でるのをやめない限り熱は冷めない。





不意に、椿さんの手がピタリと止まる。
そして、頭からその手が離れる。



内心、落胆しつつも布団に顔を押し付けたまま体の力が抜く。





ぽつりと、椿さんは呟く。

























































「耳、真っ赤」









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category:  第15章その瞳の意味

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