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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第15章 その瞳の意味① 


こんにちは、颯です。

最近、一話長いんじゃね?って思ってるんですけど、どうですかね。

ご満足いただける長さでしょうか……

まぁ、前が短過ぎただけな気もしますが……



*****


「おはよう、楓!」
「おはよう」



私と、綾香が付き合い始めて1週間がたった。


偶然にも綾香は私の最寄駅を通る電車に乗っていたことが発覚した。

それに気がついた翌日から私たちは一緒に登下校するようになった。






意識的に、



あのベンチがある車両とは反対の車両に乗るようになった。




あの人に会わないように。


会ってしまって、私の心が揺らがないように。



大丈夫。

私には、私を見てくれる人がいる。


あの人にも、あの人を見てくれる人がいる。





だから、




大丈夫。




「楓?」
「……ん?」
「ぼーっとしてるけど、大丈夫?」
「ん、あぁ、大丈夫。昨日寝るの遅かったんだ」


ちなみに、私たちが付き合ってることは誰にも言っていない。

言ったら、そこで学校生活の終わりが来る。


同性愛を、受け入れてくれる人もいるかもしれない。


でも、大半が拒否反応を示す。

そんな所にわざわざ言いに行く奴はいない。

でもーーー



「あのさ」
「うん?」
「楓たちが付き合ってることさ、優輝に言っていいかな?」
「……どうして?」
「いや、まぁ一応楓の恋愛事情を知ってるし……親友だし……駄目だったらいいよ!言わないから!」


この押しが弱い性格は治らないものだろうか。



綾香は数秒足元を見てたかと思うと、顔を上げた。



「いいよ」
「いいの!?うおーありがとう!」



綾香はニコッと笑った。







その笑顔が、偽物だって気がつくことは無かった。



***



「っていうことで楓は綾香と付き合うことになりました、と」


学校に着き早々優輝を呼び出し事情を説明する。

優輝は何も言わずただ、私を見つめていた。


「優輝?」
「あ、あぁ、えっと……それ、冗談だよね?」
「いや、マジ」


優輝の目は一瞬にして見開かれ、















ーーー怒りで染まった。















いつの間にか、私は床に尻餅をついていた。



頬が、痛い。


ジンジンと鈍い痛みが持続的に襲う。







殴られたんだと、今になって気がつく。







ゆっくりと痛む頬を抑えて、いつの間にか見上げる形になった優輝を見る。


優輝の目には、怒りと、悲しみで揺れ動いていた。






ーーーなんで、私の事でそんな感情を持つんだよ。



まるで、弱虫な私の為に私を怒り、悲しんでるような。





「君が、」


ぽつりと、

吐き出すように、










「君がそんな人だとは思わなかったよ」






優輝は、


失望した目で、






言う。





「相手の気持ちを利用して、楠見さんを忘れるのかい?」





やめろ。






「楠見さんへの気持ちはそんなんで忘れられるのかい?」






その名前を言うなよ。







「君が誰を好きになろうと構わないが、人の気持ちを利用するなんて、あの子にも、くすーーー」
















「やめろよ!!!!!!」











私は耳を塞いで、優輝の言葉を拒絶する。






「その人の名前を2度と口にするな!!」







ドクン、ドクン、と私の体の中から鼓動が聞こえる。


その音に耳を澄まして、冷静さを取り戻す。


耳から手を外し、立ち上がる。

そして、優輝の目を真っ直ぐ見つめる。





「もう、決めたんだ。あの子の気持ちを利用することになるけど、楓は、あの人を忘れ、あの子を好きになる」




優輝は私の目を見て、肩の力を抜いた。




「君がそこまで言うならもう何も言わない。僕は応援するよ」


そう言うと、ふらっと教室に戻った。


私はしばらくそこに立っていた。

目を閉じる。




大丈夫、浮かんでくる顔はあの子の顔だ。











あの子の声が、凛と鈴の音のような綺麗な声という矛盾に目を背け、私も教室に戻った。


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category:  第15章その瞳の意味

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コメント

1話が長くて、とても嬉しいです(∩´∀`∩)
楠見さんカムバーーック!!
名無し #- URL [2015/07/20 09:52] edit

Re:

コメントありがとうございます!
長いと言っていただいてホッとしました!ただ、もうちょっと頑張ろうと思います!

楠見さんはいつ帰ってくるんでしょうかねぇ……
颯 #- URL [2015/07/21 22:18] edit

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