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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第14章 限界③ side椿 

こんにちは、颯です。

颯の想像の会社です。

こんなことねぇーよとか思う方いると思いますが、

大学生の会社か。

と温かい目で見てやってください。




*****



「大丈夫?」


いつからだろう。

明らかに楓の顔に苦しそうな、悲しそうな表情が現れてる。


前までは幸せそうな、楽しそうな表情をしていたのに。


それだけで私も幸せを感じることができたのに。



いつからだろう。



楓の笑顔が偽物だって気付いていたのは。

それに気付いていながらも気付かないふりをしていたのは。






そして気付いてしまったーーーー








「今日の22時、いつもの待ち合わせ場所で待ってます」









追い詰めていたのは私だったと。



「ちょっと待って!ねぇ!楓!」



私の必死な呼び止めにも振り向かずにあの子は立ち去った。


私の呼ぶ声で嬉しそうに振り向いていたあの子はいない。







ただ、あの子の後ろ姿だけが苦しんでいた。







今すぐにでも楓の手を掴んで無理矢理にでも訳を聞き出したい。




でも、時がそれを許さない。











「そんなところに立ち止まってどうした、楠見」












あの子と似たような低い声が後ろから掛かる。



今、初めて、この人の声を聞きたくないと思った。


振り返るとやはりそこには、私の上司、もとい私の好きな人、近藤 勇がいた。

「あ、おはようございます近藤部長。いえ、ただ……空が綺麗だな、と」

この時ほど、この人と話していてテンションが上がらなかったのは初めてだった。



「冬の空は大抵綺麗だな。……あの子は……まぁいい、それより今日の夜、お得意様といつもの場所だ」


近藤部長が曲がり角を曲がる楓の姿を見て一瞬、眉を顰めた。


「今日、ですか」
「あぁ、何か用事でもあるのか?」


大切なお得意様との交流とただの知り合いとの待ち合わせ。

当たり前のように前者を取る。

当然私もそうした。
が、今の私には苦渋の決断だった。


「……いいえ、ありません。では、何時頃ロビー集合にしますか?」
「そうだな、19時頃だな」


19時頃に会社の玄関で近藤部長と合流し、そこからいつも飲む場所に向かいお得意様と交流する。






約束の時間に間に合う確証は、ない。





だから、近藤部長との会話の後メールを送った。






まさか、あの約束が私たち2人の関係を左右する程の、大切な約束とは思ってなかった。



そして私は切り替えをして仕事に取り組んだ。




***




「好きな人から返事待ってるOLかよ」



昼休み。

茜が私の後ろの席から椅子を転がして隣に来る。

「どういう事?」
「そのまんま、仕事中何回携帯見てたかわかる?52回」
「暇なのね」
「それほどでも」

本当は、驚いている。

無意識に、楓からのメールの返信を気にしていた。



そう、朝に送ったメールの返信はまだ帰ってきてない。



忙しいのだろうか。
忙しいと思いたい。
忙しいと言い聞かせて。
忙しいとーーー



「とりあえず、食堂にでも行こっか」

ニカっと、そう笑う茜には何でもお見通しだった。

「そうね」






「で?メール待ち相手は?」
「勿論好きな人ーー」



「楠見先輩好きな人いるんですか!?」


突然、横からの大声に身を引く。

咄嗟に隣を見ると、後輩の柏原 優太が日替わり定食を持ちながら固まっていた。


「え?」
「え、だって今好きな人からのメールの返信待ってるって」


タイミング悪過ぎる。

「いや、それはーー」
「そーだよ」
「え!?」


違うと、否定しようとしたところで目の前に座る茜が肯定した。


「椿好きな人いるよー」
「誰ですか!?」
「ちょっと茜!」


一体この子は何を言っているの。
なにも、柏原君に言うことじゃないでしょう!


「いーじゃん、って事で柏原君に希望はないよ」
「そんな……」

柏原君は日替わり定食を机の上に置きそのまま崩れ落ちる。

一体どうしたと言うんだろう。







椿は、本当に鈍感だった。



「ところで柏原君。君妹がいたりするかい?」

と、突然茜が唐突な質問をする。
そんなことを知ってどうするんだろう。


「え?いますけど……なんでしょうか?」
「ユウキという名前だね?」
「え!?」
「そうですけど、なんで知って……どうしたんですか」

え、え、ちょっとまって一回落ち着こう。

うん。ユウキって優輝ちゃんじゃないね。大丈夫。

「いや、楓ちゃんの友達の優輝だよ」
「え!?」
「え?え?」

柏原君が私たちを交互に見て頭にクエッションマークを浮かべている。

でも、そんなことを気にしている余裕はない。

「どういう事?」
「いや少し考えればわかるよ。苗字が同じで優太、優輝という名前。それと目元が似てる。特に眉間にしわを寄せた感じとか」

……いや優輝ちゃんの眉間にしわを寄せた顔とか見たことないからわからないけど、確かに言われてみれば一致する。

「えっと、先輩方は優輝を知っているんですか?」
「まぁ色々あって。これで優輝をしばらくいじろっと」

そういう茜は新しい玩具を貰った子供のように無邪気に笑った。


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category:  第14章限界

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