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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第13章 本当の私④ 

こんにちは、颯です。

やはりこっちのテンプレートの方が落ち着くので戻しました。
優柔不断でごめんなさい。



*****


「じゃあ、学校頑張ってね」
「はい、椿さんも無理はしないでください」


椿さんはそのまま会社に入って行く。
その後ろ姿を見る私の顔はーー無表情。






頑張るーー困難にめげないで我慢すること。






頑張るという言葉は嫌いだ。


確かに、困難にめげず我慢し物事を達成する姿は誰が見ても格好いいと思うだろう。


しかし、「頑張れ」と他人から言われることはなんて残酷なのだろうと私は思う。
「我慢しろ」と言われているもんだ。


大体頑張ってる人に対して頑張れと言う人もどうかとーー




「河野ちゃん!!」




ドッと肩に衝撃と共に大音量の声。

あ、ちなみに河野って私の苗字ね。忘れがちだからね。


「あ!おはようございます先輩!」


隣にいるのは体育祭の実行委員で一緒になった先輩だ。
目が一重でおかっぱ。いつも笑顔を浮かべ声がデカくその口はマシンガンのごとくいつも喋っている。

「ねぇねぇ、さっきの美人さんは誰ですか?」
「あー、なんて言うんでしょ、まぁ知り合いですね」
「すっごい気になる。私もいつかあんな美人さんになるんですよ」
「へー凄いですね」
「あー!信じてないでしょ!いいもん。……あ、そう言えば今日夢みたんです私。なんかーーー」




ははっと笑みを浮かべニコニコ過ごす。




面倒臭い。




朝からこんなマシンガントークを聞く気にもなれよ。




作り笑いだって気がつけよ。




そんな黒い感情を胸に秘めたまま通学路を歩いた。




***




「おはよう」

椅子に座る私に挨拶をする低い声。

「おはよう」

同じ様な低い声で返事をする。

優輝はそのまま私の前の席に横向きに座り私の机に肘をつき、じっと私を見る。

「何?」




「悩みがあるなら言えって言ったろ?」




確かに、今私は朝からちょっと鬱な気持ちやマシンガントークやらにやられてイライラして愚痴りたい。

悩みも無いわけではない。


しかしーーー






「そう言うのうざい。確かにお前には唯一悩みを話せる仲だよ、でも話したくない悩みだってあるんだよ。何でもかんでもお前に話さなくちゃいけないってんならお前にはもう話さない」



優輝は驚いた顔をしていたがしばらくするといつもの無表情に戻り、


「そ、悪かった」






優輝にはつい、本音が出てしまう。







あ、








「それだ!!!!」



ガタッ!!


突然隣の大声に驚いた優輝は仰け反り後ろの机にもたれていた。

「な、なにが……?」

優輝の疑問に答えず私は椅子に寄りかかる。


朝から、正確に言うと椿さんと別れた辺りからモヤモヤイライラが溜まってると思ったら、それだ。








本音が、言えていない。








優輝にしか、本音が言えていない。

椿さんにも先輩にも、先輩はともかく、好いている椿さんにも本音を言わない。

好いてるにも関わらず『本当の私』を見せていない。


こんな状態で私は、椿さんに好きになってもらおうとしていた。





無理に決まっている。





上っ面しか見せていない人を誰が好きになる?

しかし、好きな人にはよく見られたい、と言う考えもある。





本当の私、偽りの私。





どっちを見せればーーー



「おい、体育」



悩んでいるところに声がかかる。

優輝がバックを背負って隣に立っている。

「あぁ、分かった……なぁ優輝」
「うん?」
「人によって対応の仕方、キャラを使い分けてる楓をどう思う?」
「何急に」
「良いから」




「別に、人ってのはその場その場で自分を使い分けるんだから気にしなくていいんじゃね?ただ楓の場合使い分けてる数が多いけどね」




終わった。

私が一生懸命に悩んでいた種をあっさり砕きやがった。

って言うか皆使い分けてたの?
気がつかなかったの私だけ?


私だけ使い分けてるのかと思ってた。

自惚れか。

私だけ気がつかなかったのか。

鈍感か。



全てはあっさりと解決した。

この時間は何だったのだろうか。


無駄に終わっーーー



「いや、違う」



思い出した。

「好きな人に対しては本当の楓を見せるべき?」
「まさか。君自分で考えた?今僕に接してる態度で、接してた態度で楠見さんと接するの?性格変わりすぎて心配させるよ」
「確かに……いやそうじゃなくて、上っ面しか見せてないのに好かれようだなんて……」
「……まずは、好きになってもらってから悩め、もっと親しくなれ、もっと相手を知れ、それから自分を見せればいい」




なるほど。
こいつぁ天才か!!!!



悩みの種を潰す天才か!?




私は素晴らしすぎる親友を手に入れたらしい。

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category:  第13章本当の私

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