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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第13章 本当の私③ 


「あれ、もう平日」


あれれ、祝日、土曜、日曜と休みはあったはずだ。

一体何して過ごしてたんだ。






何もしてない。






こんな実りの無い休日の過ごし方初めてだよぉ!!


「あぁ、寒い」

布団から出られない病。
冬に発症するんだ。
持病でね、病院でも手の施しようがないと言われてるんだ。

だから私はこの病気が発症する冬はいつも布団にもぐって過ごすーー






「楓ー起きろー」






……聞こえない。
地獄へ誘う様な声なんか聞こえない。

ドンドン、と私の部屋に近づく足音。


「おい、起きろ」


部屋の入り口で一声掛けるとまた、ドンドンと遠ざかる足音。


はぁ……ここで無視したら後が面倒くさい。

渋々布団から這い出てすぐにトレーナーを着る。

「さみっ」

モコモコのトラの足のスリッパを履きトレーナーのチャックを上までしっかり閉め、リビングに向かう。


「おはよう」
「おはよう」

たった一言言葉を交わし朝ごはんを用意する。

「行ってきます」
「いってらっしゃーい」

いつもこんな感じだ。

私が起きる時間と会社に行く時間が被っているため、起きたらすぐに出て行く。


今じゃもう慣れたもんだ。


焼けたパンに今日はチーズを乗せ、もう一度焼く。


また、いつもと変わりない日々が始まる。




***




「おはよーございます」

また、この日が帰ってきた。

前と同じベンチに変わらず座っている人の後ろから声を掛ける。

その人は落ち着いて振り向くと、安心した様な笑みを浮かべる。


「おはよう」






ドキッ






やっばい。



前より心臓持ちそうにない。



可愛い。可愛すぎる。



「今日から電車なの?」

椿さんは座ってる、私は椿さんの斜め後ろに立ってる。
椿さんは座った状態で上半身ごと振り向いて肘を背もたれに乗せてるもんだから、とりあえずヤバい。

体のラインを出すようなコートを着てるにも関わらずもっとラインを出すような態勢をするもんだから、とりあえずエロい。

座ってる時点で椿さんの顔が下なのはわかってる。そこで私を見上げるような上目遣いは止めてくれ、とりあえずヤバい。


「あ、えと、そう、ですね」


そんな光景を視界に入れてるから受け答えなんかしっかりできるはずがない。

「そっか」

そう言うと椿さんは立ち上がり列の最後尾に並ぶ。
私も続いてその隣に並ぶ。


ふと、目に入る。
椿さんのコートのポケットから覗くクマのぬいぐるみキーホルダー。

つい、ふふっと声に出して笑ってしまう。

「何笑ってるの?」

当たり前のように椿さんからはガチトーンでのクエッションマーク。

「あ!いや、キーホルダー、嬉しいなぁって」

椿さんはハッと気がついた顔をしてポケットからキーホルダーを取り出す。

「あったりまえじゃん!お揃いだよ?」

顔の高さまで持っていきチリん、と鳴らす。



パシャり。



心のシャッターで撮らせていただきました。

椿さん何でも絵になるからな。


  そのまま私たちは口を開いた満員電車に乗り込む。

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category:  第13章本当の私

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