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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第12章 前より……⑥ 



「何してたの?」

椿さんの元へ行くと真っ先に先ほどのことを聞かれる。
まぁ、当たり前か。

「んー、可愛い女の子を助けてた、かな」
「へぇ、イケメンだね」


そんなことをさらりと笑顔で言うもんだから私は言葉を失う。


苦し紛れにドヤ顔をした私を褒めて欲しいくらいだ。

「うわ、その顔ムカつくー」

そう言い綺麗に笑うから、私も笑えてきてしばらく2人で笑っていた。





そんな時間が幸せで、

ベタだけど、
ずっと続けばいいと思って、


だけど、
心の底では早く終われと思って、




そんな矛盾した心。




心地良い関係に、
それに満足してる私に、
この関係を壊そうとしない私に、








私はーーー











ーーーー嫌悪を抱いてる。










そんな、愛好であって嫌悪である矛盾な時間はーー終わりを告げる。



「じゃあ、そろそろ時間だからバス戻ろっか」

その声を合図に、私たちは立ち上がり30センチの距離を保ち歩き出す。




***




バスに戻ると、そこには既に優輝がいた。
しかし、その顔にはうっすら、というかガッツリと疲れの色が見える。

声を掛けようか迷ったがここでかけなかったら一生恨まれそうな気がしたから、

「どうした?」

その声にやっと私に気がついたように、目の焦点を合わせ私を見る。
そして、その目にーー憎しみが篭った。


「君のせいか……あいつが僕の所に来たのは君のせいか……幸せ満喫してきましたオーラ纏ってるのが何よりの証拠だよね……」

私のせい?あいつ?証拠?


何が何だかわからない。
私が何をした?
わからない。


「どういう意味?」
「あいつが僕をおちょくるんだ。この僕をだ」

オマエハイッタイナニサマダ。

そう言いたいのを堪え詳しく話を聞く。

「あいつだよ、確か茜って言ったかな。あいつが僕をからかいおちょくるんだ」

茜って……茜、茜、茜……茜!!!
椿さんの幼馴染みか!

ほう、優輝をおちょくるとは中々の腕っ節。

「で、どんな内容で?優輝をおちょくる材料なんてあるか?」
「それは僕がーーーー」
「僕が?」

その先に続く言葉を待つが一向に出てこない。
優輝はハッとした顔で口を押さえ、



「何でもない」



ふいっと顔を逸らし窓の外を眺めだした。

「何だよ、愚痴でも聞くよ?」
「君に愚痴を聞いてもらうほど友達に困ってない」
「……そっ、いつでも聞くかんなー」

ぽんぽんと頭を叩き、自分の席に座る。

優輝は叩かれた頭に手を乗せて何を考えているのかわからない顔で俯いていてた。



おかしいと感じた。
優輝はポーカーフェイスで分かりずらいとよく言われるが、最近になって私には優輝の気持ちが理解できるようになった。

しかしそれでも、今の優輝の表情が読み取れない。

何でもないと、あいつは言う。
いつもみたいな無駄口を、あいつは叩く。
ポーカーフェイスで外を見る、あいつがいる。





いつも通りに見せかけた、あいつがいる。





おかしいと感じた。
それでもあいつは何でもないと言った。

それならば、親友としてできることは、見て、待つだけ。


いつあいつが壊れてもいいよう、見て。
いつでもあいつが私に頼れるよう、待つだけだ。




***




そして帰ってきた。


「帰ってきたどーーー!!!!!」


我が家に。

いや、うん、本当に、この修学旅行、色々ありすぎた!疲れたよ!

ベッドへダイブ!

そのまま沈むよう寝ようかと思ったが、携帯の通知がなった。

もそもそと緩慢な動きで机に投げ出した携帯を掴み、画面を覗く。

そこには懐かしのぽつりと言うSNSからの通知だ。
懐かしすぎて一瞬わからなかった。

通知の内容はカンロ飴から。



@カンロ飴
おい、最近浮上してないけどなんかあったのか?忙しいだけならいいが……返事くらいくれよ>@楓



おぉ、なんと心配のリプライではないか。
あいつこんな優しかったのか。いや、最初から優しかったな。

それでも通知が来てすぐに返すとなると何か嫌だから私は、携帯を再び机の上に戻し落ちてくる瞼に抗わず、そっと目を閉じた。





明日、返せばいいかなーーー

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category:  第12章前より

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