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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第1章 せいぎのひーろー② 

 教室の窓際の自席でぽつりというSMSに書き込み。


@楓
ヤバイ

@楓
なにがやばいかって?

@楓
電車で痴漢にあった

@楓
勿論楓が被害者じゃない

カンロ飴さんが「電車で痴漢にあった」をRT・お気に入りしました。

@楓
むしろ助けた側なんだけど、ってかカンロ飴なんぞや

@カンロ飴
楓が痴漢したんだろどうせ

@楓
助けた人がめっちゃ変人だった、聞き捨てならんなカンロ飴

@カンロ飴
変人襲ったのか、どうせなら美人襲えよ

黒豆が「電車で痴漢にあった」をRT・お気に入りしました。

@楓
だから襲ってねぇし、しかも別に普通に美人だったし。黒豆もか

@黒豆
なんです?なんです?楓痴漢したんです?

@カンロ飴
美人襲ったのか!?さすがにそれは犯罪、おう黒豆。楓もついに犯罪者だ

@楓
やめろ。これ以上話をややこしくするな三下どもが

@黒豆
結局誰が誰を痴漢したです?

@楓
中年のおじさんが若いOLさんを痴漢、そこを楓が助ける

@カンロ飴
楓が助けただと?そんなバカな……ネト上ですら人見知りの楓が

@黒豆
(((((・-・)

@楓
うん。楓もびっくり仰天。黒豆引くな

@黒豆
楓すごいです。いつの間にコミュ障トリオ脱退したんです?

@楓
むしろいつの間に参加してたんです?

@カンロ飴
なぁ、気のせいか?ツインじゃなくてトリオに見えるんだが……まさか俺入れてねぇよな

@黒豆
勿論!

@カンロ飴
だよな!ビビるわマジで

@黒豆
カンロ飴も入ってるですよ!

@カンロ飴
そーだよな!入ってるか!そーかそー……えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?俺いつの間にコミュ障なの!?

@黒豆
コミュ障トリオ嫌です?(´;ω;`)

@カンロ飴
うっ……勿論うれしいぜ!ありがとな黒豆!仲間に入れてくれて!

@黒豆
よかったです(*´ω`*)

@楓
カンロ飴乙


 っと丁度切りのいいところでネットの世界から連れ戻される。

「でんでーんおはよーー!!」
「ん。おはー」

でんでんと言うのは学校でのあだ名だ、呼んでいる人はごくわずかだが。

 私はケータイから顔をあげて声を掛けてきた人へと目を向けると、肩くらいまでに伸ばした髪を少しうち巻きにしてて目が大きくて小顔でスタイルもいいが胸は物足りない――棚橋 朱莉が前の席に座ってきた。

「でんでん今日は修学旅行の班決めだよ♪」
「そーだね、まぁ大体決まってるよね」
「いつメンでいいよね!」
「だよね!まぁこれもまた適当に二つに分けて一緒に行動すればいいし」
「もうまじ楽しみ」
「んねー」

まさかこのさも当たり前のように決められた班に納得してない人がいるなんて今は想像もつかなかった。

 朝のHRをするため担任の先生が教室に入ってきた。

「でんでんまたねー」
「じゃね」

同じ教室内にいるにも関わらずお別れの言葉。
めんどくさいと思いながらも笑顔で手を振る。
といっても席もそんなに離れているわけではなく斜め右前の隣だ。

女子ってめんどくさいものだ。
そんなことを微塵も顔に出さずに過ごしている私は実はすごいのではと最近思い始めているが例のぽつりでは「自惚れ」「自意識過剰乙」など貶された為なんとか思いとどまっていた。

「ふぉばちゃんおはよー」

不意に後ろから可愛らしい声が聞こえてくる。
後ろに振り向きながらもそこにいる人にこれまた笑顔で

「お、ふぉばおはよー」

目線の先には見事に眉上ぱっつんの前髪でも可愛らしく見えるドラえもん大好きっ子――工藤 凛香がいる。

お互いを同じあだ名で呼ぶ理由はただ単に同じケータイの機種なだけだ。インフォバーと言うやつなのだがデザインは良くても使い勝手が悪い、何度修理に出したことか。

「フフフ」

ふぉばは意味不な笑みを浮かべてただ私の顔を見つめてきた。

「え、なに」
「好かれてるね。大変だね」

一瞬言ってることが理解できなかったがすぐに朱莉のことを言ってるのだと気がついた。

「あぁ……別に好かれてはないよ」

ついふぉばの前だと素キャラが出てしまう。
さっきまでの朱莉と話していた態度とまるで違う。

「えー好かれてんじゃん」

ニヤニヤ笑うふぉばを見てそれでも心の中で否定する。
結局私の代わりなんてたくさんいるんだよな、すぐ私なんて構わないようになるんだよあぁいうのは。
しかしそれをふぉばにすら言わずに心の中に留めて苦笑いを返すだけだった。

 授業が始まると途端に眠りだす前の人のせいでケータイがいじれないことはもうすっかり慣れてしまって、今では授業中ずっと窓の外を見ている始末。

いや、まぁ。窓の外って言ったってこの学校はだいぶ森の中に建っているから木しか見えないんだけども……
それでも私は飽きることなく外を眺め続けた。
そうしていると授業が終わりに近づいてきた。
この学校はチャイムがなく授業の終わりは先生が切り上げないと終わらない方式なので先生が時計を見ないで話し込んでると生徒のイライラ感はパナイ。
いまの先生はそのパターンの人である。
授業をしっかりと聞いてない私はイライラなど微塵も感じないが

「センセーもう時間です」
「ん?はい!じゃあ今日はここまで!号令!」

「さすが楓」「ナイスだよ」「まじうざいあの先生」「ちゃんと時計見ろよ」などなどちらほら声が上がってくる。

なぜコミュ障なのにわざわざ先生に声をかけるのか、それは単に学校でのキャラがそうだからだ。
このご時世いくつもキャラを持っていないと過ごしていけないのだ。
 私は無意識にポケットから飴ちゃんを取り出して口に含む。


む。レモン味か


 飴ちゃんに意識を向けているといつの間にかSHRは終わっていてじゃーねーと挨拶をして帰ってる人がちらほら。
さて私も帰るかとバックに手をかけたとき

「でんでんじゃーねー」

朱莉に声をかけられた。私は自然に

「ん。バイバイ」

手を振り返して見送ると外に彼氏さんが待っていて朱莉も満面の笑みで駆け寄る。畜生リア充めが。
そんな光景をさっと視線から外して音楽の世界に入り込む。

廊下に出て歩いていると前からあの人―――木下 直哉が歩いてきた。
私がまだ思い続けている人。
私はさっとポケットからケータイを取り出して視界からわざと外す。

そして、そのまますれ違う。

なんてことのない光景だ。
知り合いでないなら簡単にできることだ。
が彼には未だに出来ない。
自己的に視線を外さないとズキズキと胸が痛むのだ。
どうせ彼はなにも私のことは思ってないのだろうが。

もんもんと考えていたら口の中の飴ちゃんが無くなっていた。
再びポケットから出して放りこむ。


お。リンゴだ。いいことあるかも


 駅に着くとふと思い出す、朝のOLさんこと楠見 椿さん。
また会えるかな、と少し期待している自分がいた。
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category:  第1章せいぎのヒーロー

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