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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第12章 前より……① 

こんにちは、颯です。
今週から始まりましたほんわた!
さて、今回も週1で投稿していきまーす、途中で週2になるかもしれませんがね!


※新年早々iPhone水ぽちゃしました。


*****




「恥ずかしっ!!」






そんな私は今、部屋の隅で後悔していた。


「あんなこと言ってまた普通に椿さんと顔合わすとか無理っ!」


  さっきまでの私は一体何を、何を言ったんだ。何てことを叫んでいたんだ。

カフェで大声を出し、椿さんに告白もどきをし、路上で大声を出し、椿さんの前で泣き……死にたい。


  なんだそれ、公開処刑か?自ら処刑を望んだか?
望んだのだろう。だからこうなった。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」



「かーーえーーでっ!!!」



座り込んでいた私を横からのタックルが襲う。



綾香だ。



あれ。確かお前部屋、違うよな?
そのままギューと抱きしめてくる綾香を振り払うことはせず視線で訴える。
しかし、綾香は気付くことなくそのままだ。
口を開こうとしたところで、


「綾香ーー??いるのはわかってるよー?白状しなー」


  隣の、綾香と同じ部屋の人たちがぞろぞろと入ってくる。
綾香にギューと抱きつかれている私を見て、焦ったような顔になる。ん?

「楓、離れた方がいいよ」
「どうして?」











「綾香、女が好きなんだって」











ピクリと反応する綾香。

え?
まじで?

   確認で綾香を見る。
今度は気付き、肩にうずめていた顔を上げる。


近い。


  当たり前だが肩にうずめていた顔を上げたら近い。
綾香は絶妙な上目遣いで私を見つめてくる。その口は一向に開く気配はない。


ひっ否定しないの?


いや、別に私はそういうのに偏見持つと言うより持てないんだけど、気にしないけども、周りの目線とかキツイじゃん?






  綾香の目を見て、私は





「じゃー丁度みんな集まったことだしトランプでもやろー」


  ギュッと綾香の抱きつきが強くなった気がした。




***




  皆既に寝静まり、暗い部屋の中、部屋の隅を四角い光が照らす。


  勿論、私だ。


どうも寝付きが悪く、寝ることが出来ない。遂に携帯に手を出してしまった、と言うわけだ。
もう携帯に手を出してしまった時点で寝るのは諦めた。


  その携帯のディスプレイにはメール作成中の画面。宛名、楠見 椿。

えぇ、そーですよ。ついつい開いちゃうんですよ。勿論送りませんよ。

画面をスライドさせ文字を打ち込む。


『すき』


うわぁ、自分でも気持ち悪いと思ってる。
でも構わず消してはまた同じ言葉を打ち込む。

どうせ、椿さんには一生理解されない気持ちなんだ。何度書いたっていいだろう。

最後にもう1回打ち込んで携帯を投げ出す。
布団に顔を入れて包まり、目を閉じる。浮かんでくるのは勿論椿さん。


笑ってる表情。
戸惑っている表情。
照れてる表情。
見たことはないけど、泣いている表情。


いろんな椿さんを妄想してはシュミレーションする。
え、どんなシュミレーションだって?聞くなよ恥ずかしい。






ピロリン





ビクッ!
急に明るい音が鳴り響き布団から顔を出す。
音の出処を見ると携帯の画面が光っている。その画面を見ると、








『送信完了しました』








「え?」

ちょっと、え?

「え、やばいやばいやばいやばい、え、待って、え、どうしよう(小声)」

 どうやら、さっきメール画面の時に携帯を投げ出してしまった時に送信されてしまったのだ

え、いやいや解説とか本当にどうでもいいから。え、どうしよう。死ぬ。メールでたった一言「すき」とかやばいでしょ、さすがにそれは……





ピロリン





ビクッ!
再び携帯の画面が光る。





『メールを受信しました』





え、椿さん起きてるの!?
え、てかどうする!?

  意を決して、恐る恐るメール画面を開く。




『どちら様ですか??』




……あ、アドレス教えてないんだからわかるわけないか。そっか良かった……良くないよ!名乗れないじゃん!ど、どうしたものかっ!!

しばらく思案した結果。



『だーれでしょーか?』



……わかるわけないよな。もうこれ無視されるよな。だって私にこんなメール来たら無視するもん。


ピロリン


来た!!!!!!
え、椿さん超律儀だ!
そして、返信が早い!









『楓?』









え、
なん、え、どうして?
なんで、分かったの?

『なんでですか?』

未だに当てられたことが信じられず、正解、とは言わずに理由を問う。
すぐに返事は返って来た。




『楓が良いなぁーって思ったの』




「っ!!!!!」

ボフッ

枕に顔をうずめて声にならない声を出す。

「~~~~~!!!!……プハッ、はぁ、はぁ。なんだよこれ」

じっとメール画面を見つめ、頬を染める。


「萌え死ぬ」


さりげなくお気に入りに登録して返信する。

『凄いですね、正解ですよ。いやまさか椿さんが起きてるとは思わなかったです』

そして、またさりげなく話題を逸らし私が送ってしまったメールに触れないよう慎重に……


『仕事してたのよ。あ、あと最初のメールの意味って?』


うがぁぁぁぁ!!!
話戻されたぁぁぁ!!!
そりゃないぜ椿さんよぉ。
折角話を逸らしたのに……さて、どう返信したものか。

『えーと、そのまんまの意味ですよー』

う、うん。大丈夫なはずだ。
椿さんには理解されないから、うん、大丈夫……大丈夫なのは果たして嬉しいのか……




…………あ、あれ?返ってこない。
いや、もうこんな時間だから寝落ちっていうのもありそうだけど、それ今するタイミングじゃないよね!!??
寝落ちとかマジ勘弁。


  その後返信がくるまで布団の上で思考をフル回転させていた時間、約5分程。
メールを返信する時間にしてはそれ程長くはない。
しかし、私には1年にも、1年は言い過ぎたけど、10分くらい……に思えた。うん、10分は長い。

  問題の返信の内容はーー








『えっと、私には「すに」って言葉の意味がよくわからないんだけど』








……ん?


……すに?


……ん?


  ゆっくりとした動作で、送信フォルダを開く。最初に椿さんに送ったメールを開く。







『すに』






……。


すにってなんだよ!!!!!!
そりゃわかんないわ!!
よかったよ!!!!

「はぁーーーー……良かった……」

枕に顔をうずめ安堵の息を漏らす。
メール画面の楠見椿、という文字をみてため息をつく。




遠い。




今すぐに、椿さんの顔がみたい。
メールという機能は空間を無視して相手に届く。しかしそれは近くに相手がいないという事を示す。


  ゆっくり返信内容を打ち込み、送信する。
返信を待つこと無く携帯を閉じ、布団を被った。





『「すに」ってなんでしょうね笑、寝ぼけてたのかな、寝ぼけてるそうなので寝ます。おやすみなさい。』

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category:  第12章前より

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