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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第11章 HAPPYEND① 

再びこちらに顔を向けた椿さんの瞳が、違う。

わら、え





「じゃあ、だいぶ横道それちゃったけど話してくれる?」





笑みが固まる。
はなし?はなしってなんだ?
はな、はなし、はなし……話、あぁ話。
そうだよ。名前の呼び方でだいぶそれたけど、私が謝って話出そうとしたところで中断していたんだ。
今更、話だなんて、する気が起きないしもう帰りたい。でも、


「楓が椿さんを避けた理由ですよね」


私は道化の様に振る舞う。

「最初は本当に楽しかったですよ。椿さんと話したり一緒に居たりする時間が。でもある日を境に椿さん、貴女の態度が変わったんです。最初は勘違いかと思いました、でも確かにあの時の貴女の態度は冷たかった。それで、思っちゃったんです、嫌われたのかなって。でもさっき嫌いじゃないと言ってくれた。じゃあなんで冷たかったんですか?」

 ニコニコ、ニコニコ。
聞いていることは決して笑えない。
それでも笑顔を作り、消えることは許されない。
 椿さんはアイスコーヒーを啜ってコトリ、と一拍置いてから話し出す。

「やっぱり、気づかれてたかぁ」

 その言葉に笑みが崩れそうになる。
拳を握り締める痛みで必死に耐え、笑みを崩さない。

「楓の言うとおり、冷たくしていたわ。でもそれは楓を嫌いになったからじゃなくて、私と一緒に居ることによって楓が友達と一緒にいる時間が無くなっちゃうんじゃないかって思って、ああするしかなかったの。本当にごめんなさい」







笑顔で







「私の意見は、無しですか?」



笑顔で



「っ!!そ、それは……楓も私よりも友達といた方が楽しいでしょ?」







笑顔で







「決めつけるんですか?」



笑顔で



 椿さんは私と真反対の表情で言葉を繋げないでいる。
私は優しく、歪んだ笑みを浮かべ繋げて言う。

「友達といる方が楽しいなら友達といます。友達と一緒に居たいなら一緒に居ます。楓が自分の気持ちを押し殺すタイプに見えますか?」

笑顔で。
堂々と矛盾した言葉を笑顔で言う。

「椿さんと一緒に居たいから一緒に居るんです。椿さんといる方が楽しいから椿さんといるんです」
「でも、楓も男の子とかとの時間も必要じゃない?」

えが、お?

やっぱり、椿さんは勘違いしている。
しかし、既に椿さんは男の子――優輝と会話しているんじゃないのか?

「男の子?」
「えぇ、いるんでしょう?彼氏」

あぁ、なんという事だ。
私は天を、天井を仰いだ。
確定した。

「いませんよ。一体どういう思考したらそうなるんですか」




その顔から笑みが消え、呆れ顔が現れる。




 私に彼氏がいるかもしれないということに悲しい顔をされてしまっては、嬉しくて呆れる。

 椿さんはその悲しそうな顔を驚きに染め、パクパクと口を開ける。

「え、で、でも……」
「マスドのこと、ですよね?」
「そうよ!あんな公の場で抱き合ったりして!彼氏じゃ無いって言うの?」
「くっははっ」

思わず笑ってしまう。
だって椿さんが――







あまりにも可愛すぎた。







 そんなに慌てふためくことでもないのに、動揺して、少し頬を赤らめている姿がズルい。
私の笑いに呆然としている姿も可愛い。
そして、怒る前の赤い顔も可愛い。


全て、可愛い。


「な、なんで笑うのよ!」
「可愛いなぁって」
「なっ!?今そんな話してないわ!真面目に答えて!」
「彼氏じゃないっすよ、優輝は女の子ですからね」
「……へ?」

椿さんは私の言葉をゆっくりと解体して、

「優輝ちゃんは今関係ないわ」

理解出来なかった。
 関係無くないんです。椿さんの中の彼氏役は優輝なんです。
てか、優輝ちゃんとか、面白い。キャラじゃない。

「関係あるんです。あの時抱き合うというより、楓がす、縋りついていた相手は優輝ですよ」
「……それ、本当なの?」
「えぇ、本当です」

 今じゃさっきの悲しそうな顔はないが、今の驚きまみれの顔も可愛い。

「本当なの?」
「えぇ、本当です」

黙る椿さん。
あの日のことを思い出しているのだろうか、額に手を当て、俯き、眉間に皺を寄せ考えている。
 私はその時丁度来た、追加で頼んでいたティラミスを2つに分け片方を椿さんの方へ寄せる。
 一口お先に食べてみる。
やっぱり頼んで良かったぁ。




 いつの間にか道化は消え、いつも通りの私がそこに居た。




そこで遂に椿さんが顔を上げ、

「本当なの?」

またですか。

「本当です」

しかし今度はその言葉に頷き、ボソッと、

「目、悪くなったのかぁ」
「くっ!!」

思わず、吹き出してしまう。必死でこらえようとするが耐えられなかった。
 キッと睨まれるが椿さんは何も言えずに頬を膨らますだけだった。

「まぁ、ティラミス食べてください」

黙ってティラミスを食べ始める椿さん。ティラミスの美味しさにほんのり頬を緩める。

「続き、話してもいいですか?」

私が話の続きを問うと、椿さんは私の方に目を向け、逸らした。



道化の笑顔が再び浮かぶ。



悲しい顔に、苦しい顔になろうとすると現れる。


 椿さんは少し頬を赤らめながら頷く。
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category:  第11章HAPPYEND

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