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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第9章 親友の策略② 

 もう随分とお腹の痛みは無くなった。
天気もよく晴れて気持ちのいい自由行動になるだろう。

一面に広がるお花畑を2人で歩く。
手を引いてくれる優しい手つき。
歩くたびに揺れる長い髪。
揺れる髪から僅かに覗くうなじ。
コツコツと音を響かせるパンプス。
冬なのにしっとりとする掌。





ん?なぜこーなった?





 今日の自由行動のスケジュールにはこんなのは無かったはずだ。
手を引く張本人――





「あ、あの楠見さん?」





なぜか楠見さんが私の手を引いて班から離れ歩いている。

「んー?」

楠見さんは変わらず手を引きながら振り返ることなく返事をする。

んー?とか可愛いなっ!!

「一体どこに行くんですか!?」
「んー、内緒」

やっと振り向いてくれたと思ったら会心の一撃をくらった。
なんだその笑顔。今までで見たこと無かったぞ。


いや、それよりも……一体全体どーしてこうなったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!




時は遡ること20分前――

 無事しっかりと、博物館を見学した私たちは予定通りの時間で自由行動を開始した。
確かまずは、グラバー園に行って写真を撮るんだったな。

「このバスじゃん?」「え、それから乗り換え?」「このチケット貰うの?」「え、これじゃない?」「え?」

長崎の路線バスややこしすぎるだろ。なんなんだこれは、案内板のない東京駅のようだ。クソゲーか、クソゲーなのか。

 そうこうしてようやくグラバー園に辿り着いた。
普通10分ほどで着くはずだったのだが迷子になり20分もかかった。

そしてあーなった、と。
……説明が足りない?
まぁ事細かく言うと――




「やっと着いた……」

長い長い旅路に既に皆くたびれている。運動が足りないぞ運動が。

「じゃカメラマンさんに写真撮って貰うべ」

そんなくたびれている皆を置いてスタスタと行動を開始する。
私?私はこれでもバスケ部なので日々運動をしているのですよ。

「皆疲れてるね」

……そう、私の隣に朱莉がいる。
朱莉もバトミントン部だから運動はしている。
しかし、うっすらとその顔には疲労が見られる。
運動部としてのプライドですかな、必死に大丈夫アピールをしている。

「おらーもう十分休んだろー行くぞー」
「「「お、おけー」」」

 変にスパルタ心を発揮し迷子になった割には早くに集合写真を撮れた。
 グラバー園に行ったよ、という証明が必要なのだ。先生も変なところで知恵が働くもんだ。

「じゃあそろそろ次に行きますか―」

 グラバー園の用も終わったし、お花畑見ても何もないし、次の観光場所に行こうとした、ところで急に優輝がそわそわしだした。
 辺りを不用意に見回して歩くのがちょっと遅くなったりして、明らかに怪しかった。

「どうした?忘れ物?トイレ?」
「あ、あぁいや別になんも……あっ!」

急に優輝は私の後ろ辺りを見て安堵の表情を浮かべた。
私も後ろを振り向くとそこには、楠見さんがいた。



「やっほ、お待たせ」
「っ!!??!?!椿さん!!??!」



 あまりの驚きに楠見さん、ではなく椿さんと言ってしまった。それに気がついたがもう手遅れ。

 なんで楠見さんがここに?
今、お待たせって言った?
私を待ってたってこと?
いや、でも約束なんてしてない。
優輝?
そう言えば優輝が途端にそわそわしだした。
それは、グラバー園の写真を撮った後、楠見さんと待ち合わせをしていたから?
……あぁそっか、
楠見さんと優輝はこれから2人で自由行動するのか。
グラバー園の写真さえ撮れれば自由だから。

「~~」

やっぱり楠見さんは私のこともう嫌いなのかな……
でもそんな私が見てる所で待ち合わせしなくても。

「~~!!」

私なんてもうどうでも良いのか。

「~で!」

私が見てようが見てまいがどっちでも良いのか。
なんか、泣きそ――







ぐぃ!!!







「ぅぇ?」


気がつくと私は手を引っ張られて班から離れて歩いていた。
手を引く相手は、楠見さん。

え?え?
優輝と待ち合わせしてたんじゃないの?
振り返ると優輝はイタズラが成功したような顔で手を振っていた。
……あぁ、なぁんだ
あいつが仕組んだのか。優輝が楠見さんと回るのかと思って落ち込んで損したわ。

私はそんな優輝に中指を突き立てた。

 で、だ。
それはそれでいいとして、今、私と楠見さんは最低な別れ方をして再会してるわけだ。
しかも一方的に私が悪い。
そんな私に怒ってもいい権利を楠見さんは持っている。

しかし、斜め後ろから見える楠見さんの顔は、耳が少し赤く、口元がニヤケている。





どういう事だ。
どうして、こうなった?
なぜ、私は楠見さんに手をひかれている?
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category:  第9章親友の策略

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