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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第7章 再会① 

 一晩経って修学旅行2日目。
おぉ……やっぱり修学旅行は寝れないというのはお決まりなのだな。
目が、目がぁ。

 確か今日は平和記念講和とかそんなものを聞くんじゃなかったろうか。
こんな寝不足な状態だから寝てしまいそうだ。

「でんでん行こー」
「ちょ、先行ってて」

制服に着替えて荷物を持って再び昨日と同じバスに乗り込む。

「ねぇ楓、楓が好きそうな人いたよ」

と、後ろの席から鼻の下をのばしながら嬉しそうな顔をして報告してくるコイツは、石井薫。
ビアン友達、とまではいかないが私が
「カッコいい女性って憧れる」
と力説していたら激しく同意してくれた友達だ。

だからこの場合の「好きそうなやつ」というのはもちろん女性だ、しかもカッコいい。

「まじで!?どこ?」

窓際の朱莉の前に身を乗り出して外を覗いた。

「あれー?さっきいたんだけどなー、ホントホント。髪が長くて、めっちゃスタイル良くて、めっちゃ美人だった!なんかお尻が、こう……」
「石井キモーイ」

朱莉がお尻が、って言い始めたとこでからかう。
分かってないな。
大抵の美人でスタイルがいい人はお尻がいいんだよ!!
て言うか、私が準備を早くしてて朱莉と一緒に出れてたらもしかしたら見れてたんじゃないか!?
あぁ畜生!

「いや、ホントなんだもん。じゃあ楓、いたら教えるね」
「おー頼んだ」

 「では、皆さん、平和記念公園に出発しまーす」

と、可愛い長崎の訛り声でガイドさんが笑顔で話していた。
うん。やっぱり訛り可愛いなぁ。




***




 おぉ……これはヤバイ。
予想通り、この平和記念講和は眠い。
なにか他のことを考えなければ……石井が言っていた女性はどんな人だろうか。
髪が長くてスタイル良くてお尻がいい、そして美人。
……駄目だ、想像もつかない。
よし、人間観察しようか。
寝ている奴が結構いた。
あ、あいつ口開けて寝てやがる。ぷぷ。
あ、あの子隣の子の肩に頭を。
寄りかかられている子も嬉しそうな顔してる……見なかったことにしよう。

ふと視線を外した先に髪の長い黒髪のスーツ姿が目に入った。
あ、れは……あの後ろ姿は、まさか、






楠見さん?






いやいや、そんな馬鹿なことあるわけない。
ここは東京じゃない、長崎だ。
今、楠見さんに会いたいと思ってしまっているからちょっとでも似てる姿があると勘違いをしてしまう。

あー畜生、余計会いたくなっちゃうじゃんかよ。
小さくため息を吐き、目を手で覆い隠す。

 こんなときにでも私の気持ちは変わらず楠見さんを好きだと再確認させられる。
望みは薄いとわかってはいるが優輝が言った通り、この気持ちが自然消滅するとは思えない。
むしろ、募っていく一方だ。


パチパチパチチパチ……


ぼーっと考え事をしていたらいつの間にか終わったようだ。
お、寝ないで頑張った!
今はお礼の言葉とやらが話されている。
と、楠見さんに似ている人が立ってホールから出て行くのを見た。
せめて横顔を、と思ったが舞台のライトの逆光のせいでよく見えなかった。

きっと石井が言ってた人はあの人だな。

 そのままぞろぞろとクラスごとにホールを出て、再びバスに乗り込む。

「よく寝たー」
「寝たのかよ、いけないんだー」
「あれで寝ない方がおかしいんだって」

朱莉が口を尖らせながらぶーぶーと文句を言う。
いやまぁ、考え事をしていたから寝る暇もなかったというか。
と、突然

「楓!あの人だよ!あの人!」

 石井が私の肩を掴みながら指を指している。
その指の先に視線を移す、と










「つば、き、さん……?」










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category:  第7章再会

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