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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第6章 巡らせろ② 

 「ふぅ、いいお湯だった」



……え?入浴シーン無いのかって?
あるわけないじゃんか。
今は髪の毛が長い組のドライヤー待ちだよ。




ボォォォーーーー……




入浴シーン無かったからドライヤーの音だけで勘弁してくれよ。

 と、突然ぽつりと隣に居た綾香の部屋の子がドライヤーの音に紛れて言葉を発した。



「あたしこの部屋分け嫌なんだよね」



 え、えぇぇぇぇぇぇぇ
今更すぎないか?
唐突すぎないか?
修学旅行始まってからいうことか?
何故それを班決めの時に言わない?

何故それを――







私に言うんだ。







面倒くさいことは持ち込まないでくれ。



「え、えーと」
「なんかさ、朱莉がさ勝手に決めたじゃん?イツメンでいいよねーみたいな」

うっ、それは私も同意したから何も言えない。

「あたしさ、部屋の子に話したことない人とかいて絶対楽しめない」

それはさ、自分がどれだけ楽しもうと頑張るかによって違わね?

 そんな言葉が出かかったが飲み込んだ。
今、この子が欲しい言葉はそんな正論ではない。



ただ――同情してほしいのだ。



「あーそれなー楓も思ったよ、朱莉が勝手に決めたけど皆の意見は聞かなくていいのかなーって。案の定いたわけだ、ごめんね?楓がさちゃんと皆に確認取ってればよかったね」


こんな心にもない偽善な言葉を並べればこの子は――


「ううん、楓が謝ることじゃない。あたしがしっかり朱莉に言ってればよかったの」


ほら、自然と自己嫌悪に陥ってくれる。
自己嫌悪に陥った子には――肯定してやればいい。


「そっか、じゃあお互い自分の意見しっかり言えるようにならなきゃだね」
「うん、そうだね。ありがとう」



 私は、人を心の底で信用できない。
それはその人が何を考えているのか分からないからだ。
この言葉を発している裏では一体何を考えているのか。
本音だよ、の言葉の裏の本音は一体いくつあるのか。
同意してくれるその頭では一体何を考えているのか。
読めもしない人の気持ちを考えてはいつも自己嫌悪に陥りあてもなく暗闇を彷徨う。

そんな奴がなぜ今、人の気持ちを読み取ったか。
暗闇を彷徨い歩いていると段々と人の負の感情が分かるようになってきた。
私がよく負の感情を持つから。
だから、相手が負の感情を抱えているときは相手の欲しい言葉が分かる。



「でんでんお待たせー」
「おー」

 そこでやっとドライヤー組が戻ってくる。
私はまた腕を組まれて部屋に戻った。
お風呂上がりだから暑いって。
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category:  第6章巡らせろ

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