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A loved one

女性同士の恋愛を取り扱う百合小説サイトです。オリジナル小説で主に年上×年下を取り扱っています。無断掲載・無断転載・複製・配布等は禁止です。以上の事を踏まえた上でのご入場宜しくお願い致します。

第4章 お酒と煙草は二十歳になってから② 



あぁ、なんか今ならさっき霞が嘆いていた気持ちがよーくわかる。

私の目の前で、先ほどの相談を話す霞と、それに対して真剣に悩む椿さん。
かと思えば、二人して楽しそうに笑いあっている。
決して私をのけ者にして、二人だけで話しているわけではない。
私も会話に入っている。

でも、
なんだか、
胸の辺りがムカムカしてくる。

霞は綾香が好き。
これは分かり切っていることで、しかも綾香の相談までしているのだから当たり前だ。
そして椿さんは、たぶん、私のことが好き、なんだと思う。
そんなことが分かり切っているのに、


取られたくないと思ってしまっている。


私だけを見ていればいいのに、
そんな楽しそうな可愛い顔は私だけが知っていればいいのに、

そんなどす黒い感情が頭を覆いつくす。
これは、決して外に出してはならない感情だと、自分でも分かっている。
下手したら殺人まで犯しちゃう系女子になってしまう。
……いや絶対しないけども。

これは嫉妬なんて可愛いものじゃない。
束縛だ。
椿さんの世界には私しかいなくていい、そう捉えることできるほどに危ない感情だ。


霞があんな相談なんかしなければ気が付かなかったのかもしれないのに……
その呟きは店内の喧噪で掻き消された。





*****





「楓と椿さん今日は相談乗ってくれてありがとうございました!」

もう名前呼びだし。
そんなことを考えているながらも、根本的な解決には至らなかったが晴れやかな表情を浮かべる霞と駅の改札で別れる。

「じゃあ私たちも帰りますかぁ」

どんどんと小さくなる霞を見ながら、隣にいる椿さんに声をかける。

そうだね、なんて、なんてこともないような声音の返事を聞き改札へ向かう。
いや、こんな気持ち悪い感情は絶対に知られたくないからいいんだけど。
いいんだけどもっ!

一人頭の中で言い合いしていると、

「そうだ、今日服取りに来る?」

……?

「ああ、なるほど。それでもいい――あーでも椿さんから借りた服今日持ってないですわ」

「あ、そっか」

しかも火曜日だしなぁ
なんて、言葉がボソッと追加されたのを聞いた。

火曜日。
何か問題があるのだろうか。
はて。
予定の金曜日と何が違うのだろうか。
強いて言うなら次の日が休日なくらいか?
火曜日の見たいドラマとかあるのか?

「火曜日だと何か駄目なんですか?」

呟いた言葉が聞かれていないと思ったのか、一瞬固まる椿さん。
無意識か、すいっと目が右上に流れる。
かと思えば目線は足元に向かった。

「あー、ほら、次の日、仕事ないし」

……つまり?

「んーと、ね?」

いや、わからないです。

「……大学生になったから、夜遅くなっても大丈夫かな、とか、考えてました」

俯きながら、ボソボソと喋るため、聞き取るのに苦労したが何とか聞き取れた、と思う。

これは、あれだな。


期待してもいいやつだと思う。


そう思っても無理はない反応だよね今の!?
椿さんの耳真っ赤だし。
髪長いのに耳に掛けがちだから丸見えなんだよね。
可愛い。

「あーね、うん。確かに。うん。火曜日は駄目ですね。うん」

緊張すると「うん」が出てしまうこの喋り方どうにかしたい。
焦ってるの丸わかり。

しかし、いつもならからかってくる椿さんも自分のことでいっぱいいっぱいなのか、からかわれることは無かった。

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category:  第4章酒と煙草は二十歳になってから

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